制作を序除に主観的な視点へと移行させた2008~2009年の作品。
“想像妊娠”、非物質的・不視覚的なものが表出してしまうこの現象は、創作活動とも類似したところが在るように感じる。
少子化も含め、社会の中での女性の現状を指摘する面もあるが、ジェンダー論としてではなく、当時全く別の仕事を持ちながら作家としての自立を目指していた1人間の主観的な立場から、この自由な国で生きる人の矛盾と空虚を比喩的に表現した。
「Calendar-Month×12-〔Ⅲ〕」では、実験的ではあるが、このテーマに以前からの“手の殻”の要素を再度画面に取り入れ、新たな「カレンダー」シリーズとしている。
それぞれ、作品の中に30個か31個、若しくは28個の“手の殻”が入っている。
素材は木製パネルに麻紙、アクリル絵具、水晶末、油性ペン、雁皮紙など。一部作品に、岩絵具、金箔、銀箔、装飾用和紙、紫朱、黒朱など。
重すぎるテーマだと感じる方もいるかもしれないが、戦争など人の生死を題材とした作品が多い中、特別重いテーマとは私は思っていない。
インパクトを狙った点もあるが、あくまでも比喩的に使用した題材である。
「Calendar -Month×12-〔Ⅲ〕」F10×12点 | * | * | ||||||||
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